煮干しと日本酒すぎだま

Year2026/02〜

#ラーメン #居酒屋 #飲食

ラーメン屋が夜は日本酒居酒屋に。AIで飲食店の新しい運営モデルに挑戦する「煮干しと日本酒すぎだま」

プロジェクト名:煮干しと日本酒すぎだま
URL:https://niboshisugidama.com/
年度:2026/02〜
#ラーメン #居酒屋 #飲食

昼はラーメン、夜は日本酒とおつまみを楽しむ居酒屋。「煮干しと日本酒すぎだま」は、一つの店舗で昼夜異なる飲食業態を展開しています。

一般的なラーメン店であれば、昼から夜までラーメンを提供するのが基本です。一方、この店舗はもともと居酒屋だった物件を活用しているため、ラーメン店としての営業が終わったあとも、その空間を別の形で活用できる余地がありました。

そこで始めたのが夜の居酒屋営業です。日本酒とおつまみを楽しみ、最後にラーメンで締める。ラーメン店と居酒屋、それぞれの良さを組み合わせた新しい業態に挑戦しています。

さらに現在は、店舗運営そのものにもAIを取り入れています。飲食店という場所を使って新しい業態と新しい運営方法の両方を試す実験場は、どのように運営されているのでしょうか。

ラーメン店の「夜」をどう使うか

ラーメン店は、基本的にラーメンを提供するための店舗です。そのため、昼の営業が終わったあとに別の業態へ切り替えることは簡単ではありません。ラーメン営業を終えてから、夜の居酒屋営業に向けて仕込みや準備をする必要があるからです。

一方で、「煮干しと日本酒すぎだま」は、もともと居酒屋だった物件を活用しています。内装も一般的なラーメン店とは異なり、居酒屋として使える環境がありました。

そこで目をつけたのが、夜の時間帯です。ラーメン店を夜まで営業するのではなく、ラーメン店の「夜」を別の業態として活用する発想を取り入れました。

「すぎだま」は東京駅から徒歩数分の立地。周辺で働く人にとって、仕事終わりに立ち寄れる居酒屋として利用してもらいながら、日本酒やおつまみを楽しんでもらう。そして最後はラーメンで締めるといった楽しみ方をしていただけるのではないか?と考えたのです。

実際業態変更してから数ヶ月でこの取り組みの成果も明確に見えてきました。そこで現在は飲食店をやってみたいけれど最初から一つの業態に大きく投資するのは難しいと考える方や、本業を持ちながらサブの事業として飲食店を運営してみたい方にとっても、昼と夜で店舗を使い分けるこのラーメン居酒屋のモデルには可能性があると考えており、今後はさらなる展開を見据えています。

「日本酒+おつまみ+締めのラーメン」という新しい業態

夜の営業では、日本酒を中心にした居酒屋としての楽しみ方をつくっています。

日本酒とおつまみを楽しんだあと、最後にラーメンを食べる。ラーメンを主役にするのではなく、日本酒を楽しむ時間の最後にラーメンがあることで、一般的な居酒屋ともラーメン店とも少し違った体験になります。

ラーメンについては、煮干しラーメンの店「丿貫」での修業経験から得たインスピレーションも取り入れています。一つの店舗の中に、ラーメンと日本酒という異なる要素を組み合わせることで、新しい飲食業態をつくることが「煮干しと日本酒すぎだま」の最初のチャレンジでした。

そして、もう一つのチャレンジもスタートしています。

AIで飲食店の運営そのものを変えられるか

「煮干しと日本酒すぎだま」では、店舗の裏側にある運営システムにもAIを取り入れています。モバイルオーダーや在庫管理、レシピ管理など、飲食店の運営に必要な仕組みを自分たちでつくり、AIを活用しながら連動させているのです。

例えば、注文データをAIが分析し、どの商品が売れているのか、逆に売れていないのかを把握する。売れ行きや在庫状況をもとに、ロスが出そうな商品があれば、その商品の販売方法を変えるといった判断にもつなげています。

モバイルオーダーの表示順やおすすめの出し方を変えたり、仕込みの手順を動画化したりと、これまで人が経験や勘で行っていた作業も、少しずつ仕組みに置き換えています。

特徴的なのは、こうしたシステムを外部のIT会社にすべて任せているわけではないことです。実際に店舗で働くスタッフが、AIを使いながら自分たちで仕組みをつくっています。

「こういうことができたら便利だけど、難しそう」と考えていたことも、AIに相談しながらであれば「これもできるのではないか」とさらに試してみることを行いました。あくまでITに詳しいスタッフが主導し、リスクも理解しながら小さなチャレンジを積み重ねてきました。おかげで現在は店舗独自のシステムや機能が現在も増えています。

日本酒選びを「注文」から「体験」へ

すぎだまでは、日本酒を飲むだけでなく、「どれにしよう」と選ぶ時間も楽しんでいただきたいと考えています。そのために、モバイルオーダーの一部として、日本酒選びをサポートするWebアプリを導入しています。 スマートフォンで日本酒の味わいを知り、AIに相談し、そのまま注文できる仕組みです。そしてこのシステムも、実際に店舗のスタッフがつくっています。

日本酒選びの手がかりになるのは、味わいの特徴を表した「味チャート」。銘柄名だけではわかりにくい違いも、チャートを見ながら比べられるので、日本酒に詳しくない方でも、自分の好みに合いそうな一杯を探せます。

迷ったときには、AIの「すぎだまる君」に相談。「すっきりした味が好き」「いつもと違う日本酒を飲んでみたい」など、好みやその日の気分を伝えながら選ぶことができます。気になる日本酒が見つかったら、そのままスマートフォンから注文。席にいながら、自分のペースで日本酒選びを楽しめます。

「よく知らないから、何を頼めばいいかわからない」を、「これ、飲んでみたい」へ。すぎだまは、日本酒に親しんでいる方にも、これから楽しみたい方にも、新しい一杯との出会いを届けていきます。

「飲食店だからこそできるAI活用」を試す

実は「すぎだま」でのAIの活用は、システムづくりだけにとどまりません。

店内で流すBGMもAIを活用して制作しています。例えば、新しいラーメンがメニューに加わったときには、そのラーメンをイメージした曲をAIでつくる。そんな少し遊び心のある取り組みもしています。

これまでなら外部に依頼したり、人が時間をかけて制作したりしていたことも、AIを使えば自分たちで試せるようになりました。こうした小さな取り組みを重ねる中で、これまで当たり前だと思っていたアナログな作業にも、少しずつITを取り入れています。

もちろん、すべてをAIに任せればいいわけではありません。ただ、現場で「これができたら便利なのに」と思ったことを、そのままにしないことが大切だと考えています。困ったときにAIに相談してみたり、できそうなら自分たちで実際に試してみたりして、飲食店の現場から新しいやり方を少しずつつくっています。

仕組みを使ってさらなるブランド拡大へ

現在は「煮干しと日本酒すぎだま」の多店舗展開はもちろん、現場でつくってきた仕組みを、他の店舗でも活用できないかを含めて、今後の展開を考えています。

一つの店舗で生まれたアイデアを新しい業態でも試しながら、そこで生まれた運営ノウハウやAIの仕組みをさらに次の店舗や新しい業態につなげていくといったサイクルを理想としています。

ですから、今後も「煮干しと日本酒すぎだま」は、飲食店の新しい形を試すだけでなく、これからの飲食店運営そのものを考える実験の場としてチャレンジを続けていく考えです。

今後の展開にご期待ください。