2020.01.20

先鋭的なクリエイティブで知られるプロダクション「東京ピストル」の株式取得&社名変更により「BAKERU」に。

横浜駅直通の複合体験エンタメ施設「アソビル」を手掛けた株式会社アカツキライブエンターテインメントの元代表取締役CPO:小林肇と元取締役:小谷翔一は、日本近代文学館内の文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」や京王電鉄「井の頭」線高架橋化工事の有効活用事業「下北沢ケージ」等を手掛けたクリエイティブカンパニー株式会社東京ピストル(代表取締役:草彅洋平)の株式を取得。2020年1月20日より社名を新たに「株式会社BAKERU」と変更し、創業者である草彅洋平を取締役(Chief Creative Officer)に迎え、新体制として再スタートを切ることになりました。さらに、さまざまなオフィスデザインを手掛ける株式会社ヒトバデザインの代表取締役社長である佐藤誠吾を取締役に迎え、場づくりをスピーディーに展開していく体制を整えました。「場を仕掛けるクリエイティブカンパニー」として、2020年から一気に走り始めます。

“クリエイティブ ”の力を、不動産に最大限に活かしていく。唯一無二のコンテンツを軸とした「プロデュースカンパニー」へ。

東京ピストルは創業以後、編集を軸としたメディアやブランディング、クリエイティブを提案し、さまざまな企業から支持を得てきました。また場をメディアとして捉え、唯一無二の店舗設計や運営、ソフトコンテンツの創出で業界から高い評価を受けてきました。

近年東京ピストルに「新たに場所をプロデュースして欲しい」「物件の価値を上げてもらえないか?」「この場所で何か面白いことをやって欲しい」等、場のコンテンツ相談が頻繁に入るにつれ、そのためには空間デザインや飲食がワンストップでつながる大規模な組織変革が急務であると考えました。

こうした考えのもと、長年多数の飲食店舗やイベントスペース、ソフトコンテンツを手がけてきた小林肇、小谷翔一とタッグを組むことが双方にとって大きな一歩になると判断。東京ピストルがクリエイティブで培った発想やアイデアや経験が、新たなメンバーの加入と経営陣を刷新することにより戦略的に進化し、さらなる事業成長を遂げることができると確信しています。

東京ピストルは、メディア制作・運営のみならず、クリエイティブコンサルティングからプロモーションをメインとしたイベント制作まで、制作に関連するノウハウがあります。これまでの主な実績として、ベイクルーズフループの40周年記念事業であり、ファッション業界における初の単独野外フェス「ベイクルーズ フェス(BAYCREW’S FES)」(2019-/全体コンサルティング、及びクリエイティブディレクション・制作)や2022年歌舞伎町に開業する総合エンターテイメント施設にあわせた歌舞伎町のWebメディア「MASH UP! KABUKICHO」(2019-/全体コンサルティング、及びクリエイティブディレクション・制作・運営)などがあります。

また店舗プロデュース・運営としては、日本近代文学館内の文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」(2012-)や渋谷の百軒店に作られたカルチャーコーヒーショップであり観光案内所である「SHOT」(2019-)などがあります。それらのクリエイティブやプロデュースは、常に大きな話題を集め、もはや単なる制作会社ではなく、コミュニティー形成やブランディング、PRまでも含めた総合エンターテイメント創出企業としての可能性を秘めていました。BAKERUになるにあたって、クリテイティブのプロ集団と場づくりのプロ集団が新たに団結することによって、より一層スピーディーかつアグレッシブに、 これまで以上の発展が期待されています。

未来に向けた両経営トップの想い

株式会社BAKERU 代表取締役:小林肇

場を仕掛けるクリエイティブカンパニーとして、コミュニティが根付く場づくりで成長を目指す。

今回、様々な場面で面白いコンテンツを仕掛けてきたクリエイティブカンパニー「東京ピストル」にこういった形でジョインすることができて、とても嬉しく思うと共に、これまでで一番ワクワクしています。そして、まずは私たちの合流を決断してくれた創業者である草彅洋平氏、慌ただしい合流にも関わらず暖かく迎え入れてくれた東京ピストルのメンバーの皆さんに感謝を伝えたいです。

いま、場づくりや街づくりの現場にはこれまで以上に「コミュニティ:人と人とのつながり」が求められていると強く感じています。そして、コミュニティが生まれ、その場に根付くためには、その場のためだけの「ストーリー」が最も重要だと私たちは考えています。前職を離れて以降、私たちはコミュニティづくりやコミュニティが根付く場づくりに本気で取り組めるチームを作ることを再び模索してきました。そのために必要なのは、これまで場づくり街づくりの現場にあまり登場しなかった編集者であり、脚本家であり、演出家であり、監督と呼ばれる人間なのではないかと感じており、そういう意味では「世界を編集する」というミッションを掲げた東京ピストルとの合流は必然であったのかもしれないと思っています。そして、これから関わる全ての皆さんにもそう思ってもらえるように代表取締役として先頭を切って、面白いことを仕掛けていきます。

さらに、新しく生まれ変わったチーム自身が掛け算となって、場の価値を圧倒的に高めていけることを目指して新社名を「BAKERU」と名付けました。2020年を迎え、これからの時代に場づくりを通して一つの物件、一つのブロック、一つの街の価値を再定義し、高められるということはそれ自体が大きな武器であり、その武器を磨いて私たち自身も成長を目指していきたいと考えています。今回の発表を皮切りに、私たちの思いに共感いただけるすべての個人、企業と一緒に取り組んでいきたいと考えています。ぜひ一緒に楽しみましょう。

株式会社東京ピストル 代表取締役:草彅洋平

東京ピストル は、「編集者の制作会社」から 「クリエイターが場をデザインする会社」へ。 

2019年12月のわずか数日の間に、自分の人生にとっても大きな決断をしました。大きくは2つ。1つ目は社名変更。2つ目は代表取締役を降り、取締役(Chief Creative Officer)になることです。

もともと東京ピストルは2006年に、僕のフリーランス業務の延長上に創業されました。その頃の僕はニートに近いフラフラとした存在でしたが、ありがたいことに仕事のご指名を頻繁にいただき、結果的に「起業」というスタンスを取ることになりました。というわけで「上場させよう」とか「バイアウトしよう」とか、現在によくある意識の高い事業計画が創業当初にあったわけではありません。ただクライアントと一緒に「面白いものを作りたい」という一心が先行していました。

ところが時代が紙からwebになり、webからコンテンツが重視されるにつれ、本来の“編集者”としての仕事がより多方面に活かせるようになってきました。長年、編集者のスキルや知識量の多さは他業種のスタッフと比べても群を抜いており、多くの分野に活かせると思っていた僕は、多くの編集者をクリエィティブの世界へと呼び寄せました。その結果、会社の業績と規模は拡大しましたが、抱えている案件が大規模になるとともに、自分が本来の生業であるクリエィティブにタッチする時間がどんどん少なくなってしまいました。その時から「ものづくりに専業する時間をつくるにはどうすればいいか?」「自分よりも代表に向いている人がいるのではないか?」という自問自答が長らく続いていました。しかしながら、社長一人の孤独な身の上のため、誰に相談することもなく時間が過ぎていました。

そのタイミングで自分が全力で打ち込んできた、5年に渡って続けてきた渋谷のクリエイター特化型のシェアオフィス「HOLSTER」と3年間の期間限定イベントスペース「下北沢ケージ」が立て続けに終了するにあたって、「プレイス」事業には資金調達をはじめとした抜本的な組織改革をしていく必要があると強く思うようになりました。つまり当初何の考えもなく会社をはじめた僕ですが、より面白いことをするためにビジネス化しなければならないと、ようやく重い腰をあげることになったのです。

今回2020年に15期目を迎えようとしているタイミングで、小林肇、小谷翔一両氏と合流し、小林肇に代表取締役をお任せするに至るには、そのような経緯がありました。また「プレイス」メイクの先行者であるお二人の力を借りれば、東京ピストルはこれまで以上に、更なる飛躍的な発展を遂げるでしょう。
本日をもって東京ピストルという会社は消滅しますが、僕がいる限り東京ピストルは不滅です。
これまでと変わらないスタンスで、BAKERUという新たな伝説を作っていきます。